<現地レポート> 宣伝会議 海外視察研修 in NY 2013 (2)

11月3日~10日の1週間にわたり、宣伝会議・教育事業部では「ビジネスインテリジェンス」をテーマに、米・ニューヨークへの視察ツアーを企画。現在、その視察団が現地を訪れている。訪問中、現地からリアルタイムで視察の様子をレポートする。

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<現地レポート> 宣伝会議 海外視察研修 in NY 2013 (1)

「small-business」
視察初日 アメリカンエクスプレスを視察

11月4日、視察研修初日。まずは本視察研修の解説役を務める、Ys and Partners CEOの結城喜宣氏、マーケティングディレクター ヴァイスプレジデントの結城彩子氏による講義から始まった。講義では、日米のビッグデータを取り巻く環境の違いについて、生活者、マーケターの2つの視点から解説があった。

視察団メンバーを最も驚かせたのは、米国が完全なる「オープンソサエティ」であること。企業・政府・州・学校あらゆる組織が、定量的・質的なリサーチに基づき、市民のデータベースを作成・公開している、という話であった。


日米を取り巻く環境の違いに会場からは多くの質問があがった。

米国では政府・州・市、あらゆる企業間でデータベースが公開、または企業間で共有・売買されている。

バッググラウンドの多様な人々が集まる米国においては、個人の情報を提供することが社会における信頼を担保することにつながるという意識があり、データに対する生活者の考え方に日本とは大きな違いがあることがその背景にある。

そして米国ではこうしたデータベースを基にあらゆる戦略・戦術が決定する。さらに自社や第三者機関が持っていないデータがあれば、マーケターが自ら企画し、IT企業と解析プログラム(ツール)の開発を進めることもあるという。

エントランスの展示を見ながら、アメリカン・エキスプレス社の歴史についても説明を受ける。同社は 1983年「自由の女神修復資金寄付キャンペーン」を行っているが、この取り組みが企業のコーズマーケティング初めての取り組みだったとも言われている。本業とリンクした社会貢献活動は、アメリカン・エキスプレス社が長年、取り組んできた活動。そうした活動の先に、「Small Business Saturday」の発想も生まれた。

午後はアメリカン・エキスプレス米国本社を視察。「Small Business Saturday」にPR面から携わったディレクターによる講演がこの訪問の目的だ。

「Small Business Saturday」とは、11月第4週(木)の感謝祭(サンクスギビングデー)直後の土曜日のことを指している。

米国ではサンクスギビングデー翌日は、年末商戦の開始日で、年間通じてもっとも買い物がされる日とされ「ブラックフライデー」と呼ばれ、さらに、翌週の月曜日はオンラインショッピングが盛んにされる日として「サイバーマンデー」と呼ばれている。アメリカン・エキスプレス社では、その間に位置する土曜日を、全国チェーンではなく各地のローカルショップでの買い物をする日、「Small Business Saturday」とネーミング。さらに、アメリカン・エキスプレスカードに加盟する中小企業や商店向けに、ソーシャルメディアなどのツールを提供し、プロモーションを支援した。

中小の小売店・パパママストアでの買い物を促し、地域の活性化に貢献するこのキャンペーンは今年で4年目を迎え、市民やスモールビジネス、地域のボランティア団体、政府や州など、全米を巻き込み、大きな反響を獲得したコーズマーケティングの好例と言われている。

 

オフィスには、歴代の社内報が並ぶ。

「Small Business Saturday」がクリオ賞を獲得した際のトロフィー。


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